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東京地方裁判所 昭和59年(ワ)7055号 判決

一 請求の原因記載1の事実は、原告会社の譲受けた共有持分が二分の一であることを除いて、当事者間に争いがない。

成立に争いのない甲第一号証によると、原告会社の譲受けた共有持分は二分の一であることが認められる。

二 請求の原因記載2の事実は当事者間に争いがない。

三 右争いのない特許請求の範囲の記載及び成立に争いのない甲第三号証(本件公報)によると、本件発明の構成要件は左のとおりであることが認められる。

A スクリユー状のキリを支持塔に沿つて回転上下動させて地盤を掘削しつつ、該キリ近傍に沿つて矢板を地盤に押し込む装置に於て、

B(一) キリを回転させるキリ回転動力部、

(二) キリ回転動力部の前面下方位置で回転自在に吊下げ支持してなるキリにキリ回転動力部から回転力を与える回転伝達部

とを有するキリ駆動装置と、

C(一) 前記キリに沿わせて矢板をその上端にて適宜支持するチヤツク部、

(二) 上記キリ回転動力部の前面に固定し、チヤツク部を介して矢板を適宜押圧する矢板押込部とを有する矢板駆動装置とを具備し、

D 上記キリ駆動装置及び矢板駆動装置とを一体にして支持塔に沿つて上下動させるようにしたことを特徴とする、

E 矢板建込機。

四 請求の原因記載5の事実は当事者間に争いがない。

五 そこで、本件発明とイ号物件とを対比することとし、まず、イ号物件の平歯車式減速機36が本件発明の構成要件B(二)にいう回転伝達部に該当するか否かを検討する。

1 前掲甲第三号証(本件公報)によると、本件明細書の発明の詳細な説明の欄には、従来の鋼矢板圧入機(以下、「従来機」という。)においては、「キリ1はキリ回転動力部2より直接に回転動力を受ける構成を採用している。…そのため、既設建造物に近接して矢板3を建込む場合、…矢板3の外側面よりキリ回転動力部2の外側面がかなり大きく突出した形態になり、その分だけ矢板3を既設建造物に近接できなかつた」(本件公報二頁右欄九行目から二〇行目まで)という欠点が存在していたこと、本件発明は、右欠点を改良するため、「キリをキリ回転動力部より前方にて回転上下動させる構成にしたから、キリの前側に沿つてセツトした矢板を既設建造物により近接させても、従来のようにキリ回転動力部等のキリ駆動装置が矢板の既設建造物への接近に支障をきたすことがなくなる」(本件公報三頁右欄三五行目から四〇行目まで)という作用効果を奏することとの記載があることが認められ、また、本件発明のキリ駆動装置がキリ回転動力部と回転伝達部からなつていることは、先に述べたとおりである(本件発明の構成要件B)。

右事実によれば、本件明細書に明示の限定はされていないものの、本件発明の構成要件B(二)にいう回転伝達部は、キリ駆動装置を構成する部材であるから、既設建造物への近接効果を阻害する形状であつてはならないというべきである。

2 次に、イ号物件の平歯車式減速機36についてこの点を考察する。

弁論の全趣旨により真正に成立したものと認められる乙第一、第二号証によると、イ号物件の三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30が一体となつた部分の構造(以下、「甲部」という。)は、別紙図面三の右側の図のとおりであつて、その半径は約二八〇ミリメートルであること、イ号物件は、軸心を、平歯車式減速機36により甲部のセンターから前方に変位させているところ、その既設建造物側(キリに直結する側)の平歯車の半径は約三八〇ミリメートルであること、イ号物件においては、平歯車式減速機36の外側部分が障害になつて、直線部分において、すなわち、既設建造物の外側面が直線状である場合において、右平歯車式減速機36の既設建造物側の平歯車の半径である約三八〇ミリメートルまでしか既設建造物に接近できないこと、これに対し、平歯車式減速機36を設けず、キリの軸心を甲部のセンターに位置させたままにした場合には、直線部分において甲部の半径である約二八〇ミリメートルまで既設建造物に接近することができること、したがつて、後者のほうが前者よりも既設建造物へより接近することができる(すなわち、別紙図面一第3図でいえばA<Bとなる。ことがそれぞれ認められる。

右事実によると、イ号物件の平歯車式減速機36は、既設建造物への直線部分における近接効果に全く貢献していないばかりか、かえつてこれを阻害していることが明らかである。

3 もつとも、原告らは、イ号物件の近接効果を考える場合には、右2のような方法で比較するべきではなく、従来機の近接距離とイ号物件のそれとを比較すべきであり、右のような比較をするならば、イ号物件は、平歯車式減速機36を採用してキリの軸心を甲部のセンターから前方に変位させる構造を採つたことにより、従来機よりも既設建造物へより接近し得るようになつていることが明らかであると主張する。

しかし、イ号物件の近接効果を考える場合に、これを単純に従来機の一例と比較するのは相当でない。けだし、右のような比較方法では、イ号物件における近接効果がキリの軸心をキリ回転動力部の前方に変位させる構成を採用したことによるものであるか否かを検証するという視点が欠けることになるし、また、従来機といつても種々の物があり、その大きさ、形状など既設建造物への近接距離を規制する条件は各機種ごとに異なつていることは容易に推測されるところであり、イ号物件と比較すべき従来機を特定することが不可能であるからである。むしろ、前記のとおり、イ号物件そのものについて、平歯車式減速機36を設けて軸心を前方に変位させた場合とさせない場合(これが従来機に当たる。)とを比較するのが、他の条件に変動がないから、近接効果の有無の実態を把握するには相当である(なお、原告らも、コーナー部分の近接効果については、右と同様な観点から比較を進めていることがその主張自体から明らかであつて(原告らの反論2(一)(4)参照)、原告らの主張は一貫性に欠けるきらいがあるが、この点はしばらく措く。)。よつて、この点での原告らの主張は理由がない。

4 次に、原告らは、イ号物件の平歯車式減速機36がコーナー部分における近接効果に貢献している旨主張する。

しかし、前掲甲第三号証によると、本件明細書には、コーナー部分の近接効果に言及した記載が全くないことが認められる(なお、この点は原告らも争つていない。)。

更に、原告らの主張するコーナー部分の近接効果は、別紙図面二の各図から明らかなとおり、キリの軸心をキリ回転動力部の前方に変位させる構成を採つたことによる影響よりも、キリ駆動部分の外径を小型化したことによる影響の方が大きいものである(なお、キリ駆動部分の外径を小型化したことによる影響を除外し、キリの軸心を前方に変位したことによるコーナー部分の近接効果がどの程度あるかは、キリ駆動部分の大きさを同一にした上でキリの軸心を前後させて比較することにより判明すると思われるが、この点で、本件発明にどの程度のコーナー部分の近接効果があるかは、本件明細書の記載は勿論のこととして本件全証拠によるも明らかでない。)。

しかるに、右甲第三号証によると、本件明細書の発明の詳細な説明の欄には、前述のとおり、従来機にあつては、キリ回転動力部のセンターにキリが位置するため、矢板の外側面よりもキリ回転動力部の外側面がかなり大きく突出した形態になり、その分だけ矢板を既設建造物に近接できなかつた、という欠点を有していたのに対し、本件発明は、回転伝達部を設けてキリの軸心を前方に変位させることにより、近接効果を奏するようにした旨の記載があるのみで、キリ回転動力部の外径の小型化等コーナー部分の近接効果により寄与すべき事項には一切触れていないこと、かえつて、「この欠点はキリ回転動力部2の外径を小さくすればいいのだが機構上困難で」(本件公報二頁右欄二一、二二行目)あるとし、この点に改良を加えることは本件発明の目的外であることを積極的に示してさえいることがそれぞれ認められる。

そうすると、本件発明にいう近接効果には、コーナー部分の近接効果は含まれないか、あるいは、含まれるとしても副次的な作用効果であるといわざるを得ず、その本来的作用効果は、直線部分の近接効果であると認められる。

5 前記のとおり、イ号物件の平歯車式減速機36は、本件発明の本来的作用効果である既設建造物への直線部分における近接効果に全く貢献していないばかりか、これを阻害しているから、仮に、イ号物件にコーナー部分の近接効果があるとしても、右平歯車式減速機36は本件発明の構成要件B(二)にいう回転伝達部に該当すると認めるには足りない。したがつて、イ号物件は、本件発明の構成要件B(二)を充足せず、本件発明の技術的範囲に属しない。

六 次に、本件発明とロ号物件とを比較する。まず、ロ号物件の減速機65が本件発明の構成要件B(二)にいう回転伝達部に該当するか否かを検討する。

成立に争いのない乙第六、第七号証によると、ロ号物件の油圧モーターMの半径は、別紙図面四のとおり、約二三三ミリメートルであること、ロ号物件は、軸心を、減速機65により油圧モーターMのセンターからその前方に変位させているところ、その既設建造物側(キリに直結する側)のギヤの半径(ただし外枠を含む。)は約三一五ミリメートルであること、ロ号物件においては、右減速機65の外側部分が障害になつて、直線部分においては、約三一五ミリメートルまでしか既設建造物に近接できないこと、これに対し、減速機65を設けず、キリの軸心を油圧モーターMのセンターに位置させたままにした場合には、直線部分において、油圧モーターMの半径である約二三三ミリメートルまで既設建造物に近接することができること、したがつて、後者のほうが前者と比較して既設建造物へより近接できることがそれぞれ認められる。

右事実によると、ロ号物件の減速機65は、既設建造物への直線部分における近接効果に全く貢献していないばかりか、これを阻害していることが明らかである。よつて、前示イ号物件に関する説示と同様の理由によりロ号物件の減速機65は、仮にコーナー部分における近接効果に貢献しているような事実があつたとしても、本件発明の構成要件B(二)の回転伝達部に該当すると認めるには足りない。

したがつて、ロ号物件は、本件発明の構成要件B(二)を充足せず、本件発明の技術的範囲に属しない。

九 よつて、その余の点について判断するまでもなく原告らの請求は理由がないから棄却する。

〔編註その一〕 本件における特許権は左のとおりである。

本件発明の特許出願の願書に添付した明細書(ただし、審決による訂正後のもの。以下、「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。

「スクリユー状のキリを支持塔に沿つて回転上下動させて地盤を掘削しつつ、該キリ近傍に沿つて矢板を地盤に押し込む装置に於て、キリを回転させるキリ回転動力部、及びキリ回転動力部の前面下方位置で回転自在に吊下げ支持してなるキリにキリ回転動力部からの回転力を伝える回転伝達部とを有するキリ駆動装置と、前記キリに沿わせて矢板をその上端にて適宜支持するチヤツク部、及び上記キリ回転動力部の前面に固定し、チヤツク部を介して矢板を適宜押圧する矢板押し込み部とを有する矢板駆動装置とを具備し、上記キリ駆動装置及び矢板駆動装置とを一体にして支持塔に沿つて上下動させるようにしたことを特徴とする矢板建込機。

(一) 本件発明の構成要件は以下のとおりである。

A スクリユー状のキリを支持塔に沿つて回転上下動させて地盤を掘削しつつ、該キリ近傍に沿つて矢板を地盤に押し込む装置に於て、

B(1) キリを回転させるキリ回転動力部、

(2) キリ回転動力部の前面下方位置で回転自在に吊下げ支持してなるキリにキリ回転動力部からの回転力を伝える回転伝達部とを有するキリ駆動装置と、

C(1) 前記キリに沿わせて矢板をその上端にて適宜支持するチヤツク部、

(2) 上記キリ回転動力部の前面に固定し、チヤツク部を介して矢板を適宜押圧する矢板押し込み部とを有する矢板駆動装置とを具備し、

D 上記キリ駆動装置及び矢板駆動装置とを一体にして支持塔に沿つて上下動させるようにしたことを特徴とする矢板建込機。

(二) 本件発明の作用効果は次のとおりである。

(1) キリを回転動力部より前方にて回転上下動させる構成にしたから、キリの前面に沿つてセツトした矢板を既設建造物により接近させても、従来のようにキリ回転動力部などのキリ駆動装置が矢板の既設建造物への接近に支障をきたすことがなくなる。

(2) 矢板押し込み部をキリ上方でキリ回転動力部前面に固定したので、比較的高さが大きくなるキリ回転動力部と矢板押し込み部とを支持塔に沿つて同一面で並行させることができるから、キリや矢板の駆動装置部分の高さを半減でき、このために支持塔の高さもより短くすることができ、装置全体の小型軽量化が図れる。

(3) キリはキリ回転動力部の前面下方に位置させたから、キリ回転動力部の下方空間が空き、ここにワイヤーロープだけを収納させることが容易にでき、したがつて、矢板建込み時にワイヤーロープが絡むことが解消され、作業能率の向上が図れる。

(4) 矢板押し込み部をキリ回転動力部前面に固定したことにより、矢板を地中に建込んだ後最終的に矢板のみを更に押し込んで固定する、いわゆる矢板の根止めを行うため、矢板押し込み部により矢板を下方へ押し込んだ際、その押し込み時の反力はキリ及びキリ回転動力部の重量、及びキリの引抜き抵抗によつて受けられ、根止め時に支持塔に生じる転倒モーメントを少なく押さえ、安全を確保することができる。

(5) キリ及び矢板押し込み部の引上げにワイヤーを使用した場合、両者の引上げ用のワイヤーは一本で足りる。

〔編註その二〕 本件におけるイ号物件およびロ号物件は左のとおりである。

(一) イ号物件の構造は次のとおりである(以下において、イ号物件に関する番号及び記号は、別紙物件目録(一)記載のものを指す。)。

a スクリユー22をリーダ21に沿つて上下動かつ回転させて地盤を掘削しながら、このスクリユー22の近傍に沿つて鋼矢板29を地盤に圧入する装置である。

b スクリユー22を回転駆動させるためのオーガーマシン23は、(1) 左右に並設された二つの三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機(高速側減速機)30、30と

(2) 右二つの三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30に対し前方位置で回転自在に吊下げ支持してなる右スクリユー22に、三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30からの回転を更に減速して伝える平歯車式減速機(低速側減速機)36とを有する。

c 右鋼矢板29を押し込む手段たる装置は、

(1) 右スクリユー22にケーシング43を被嵌し、該ケーシング43はその上端を右オーガーマシン23の下方に位置し該オーガーマシン23に対し相対的に上下動する連結ブラケツト41に矢板旋回装置42を介して連結し、該ケーシング43の上部に取付けられケーシング43に沿わせる鋼矢板29の上端を支持するチヤツク部46と

(2) 右三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30に対し斜め前方に配置し、右オーガーマシン23上端部の反力受けブラケツト40に一端部を固着し、他端部のピストンロツド39a、39a先端部を右連結ブラケツト41に連結固着して、右ケーシング43に取付けられているチヤツク部46を介して鋼矢板29を押圧する油圧シリンダー39、39とからなるものである。

d 右オーガーマシン23と右鋼矢板29の押し込み手段たる装置の油圧シリンダー39、39とを一体にしてリーダ21に沿つて上下動させるようにしたものである。

(二) イ号物件の作用効果は次のとおりである。

(1) スクリユー22を三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30に対し前方にて回転上下動させるようにしているため、スクリユー22の前面に沿つてセツトした鋼矢板29は、既設建造物により近接させて建込むことができる。

(2) 油圧シリンダー39、39をスクリユー22上方でオーガーマシン23の両側面(三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30に対しては斜め前方)に固定したので、三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30と油圧シリンダー39、39とをリーダ21に沿つて同一面で並行させることができるから、スクリユー22や鋼矢板29のオーガーマシン23及び油圧シリンダー39、39部分の高さを半減でき、このためリーダ21の高さも低くすることができる。

(3) スクリユー22は三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30の前方下方に位置させたから、三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30の下方空間が空いており、スクリユー22を回転させながら下方へ引込むワイヤーロープ28は反力受けブラケツト40に取付けられた滑車26、27にかけられているが、右空間を利用して取付けることは可能でありそうすれば鋼矢板建込時にワイヤーロープが絡むことがなく、作業能率の向上が図れる。

(4) 油圧シリンダー39、39により鋼矢板29を下方へ押し込だ際、押し込み反力はスクリユー22及び三相誘導電動機M、M及び遊星歯車式減速機30、30の重量及びスクリユー22の引抜き抵抗によつて受けられ、リーダ21に生じる転倒モーメントを少なく押さえることができ、安全を確保することができる。

(5) 引上げ用ワイヤーロープ25のみによつてスクリユー22及び油圧シリンダー39、39は引上げられる。(中略)

(一) ロ号物件の構造は次のとおりである(以下において、ロ号物件に関する番号及び記号は別紙物件目録(二)記載のものを指す。)。

a スクリユー52をリーダ51に沿つて上下動かつ回転させて地盤を掘削しながら、このスクリユー52の近傍に沿つて鋼矢板59を地盤に圧入する装置である。

b 右スクリユー52を回転駆動させるためのオーガーマシン53

は、

(1) 油圧モーターMと、

(2) 油圧モーターMに対し前方下方位置で回転自在に吊下げ支持してなる右スクリユー52に、油圧モーターMの回転を減速して伝える減速機(減速比約二・六分の一)65とを有する。

c 右鋼矢板59を押し込む手段たる装置は、

(1) スクリユー52にケーシング72を被嵌し、ケーシング72はその上端を右オーガーマシン53の下方に位置し該オーガーマシン53に対し相対的に上下動する連結ブラケツト70に矢板旋回装置71を介して連結し、該ケーシング72の上部に取付けられケーシング72に沿わせる鋼矢板59の上端を支持するチヤツク部75と

(2) 右油圧モーターMに対し斜め前方に配置し、右オーガーマシン53上端部の反力受けブラケツト69に一端部を固着し、他端部のピストンロツド68a、68a先端部を右連結ブラケツト70に連結固着して、右ケーシング72に取付けられているチヤツク部75を介して鋼矢板59を押圧する油圧シリンダー68、68とからなるものである。

d 右オーガーマシン53と右鋼矢板59の押し込み手段たる装置の油圧シリンダー68、68とを一体にしてリーダ51に沿つて上下動させるようにしたものである。

(二) ロ号物件の作用効果は次のとおりである。

(1) スクリユー52を油圧モーターMに対し前方にて回転上下動させるようにしているため、スクリユー52の前面に沿つてセツトした鋼矢板59は、既設建造物により近接させて建込むことができる。

(2) 油圧シリンダー68、68をスクリユー52上方でオーガーマシン53の両側面(油圧モーターMに対しては斜め前方)に固定したので、油圧モーターMと油圧シリンダー68、68とをリーダ51に沿つて同一面で並行させることができるから、スクリユー52や鋼矢板59のオーガーマシン53及び油圧シリンダー68、68部分の高さを半減でき、このためリーダ51の高さも低くすることができる。

(3) スクリユー52は油圧モーターMの前方下方に位置させたから、油圧モーターMの下方空間が空いており、スクリユー52を回転させながら下方へ引込むワイヤーロープ58は反力受け連結ブラケツト69に取付けられた滑車56、57にかけられているが、右空間を利用して取付けることは可能であり、そうすれば鋼矢板建込時にワイヤーロープが絡むことがなく、作業能率の向上が図れる。

(4) 油圧シリンダー68、68により鋼矢板59を下方へ押し込んだ際、押し込み反力はスクリユー52及び油圧モーターMと減速機65とからなるオーガーマシン53の重量及びスクリユー52の引抜き抵抗によつて受けられ、リーダ51に生じる転倒モーメントを少なく押さえることができ、安全を確保することができる。

(5) 引上げ用ワイヤーロープ55のみによつてスクリユー52及び油圧シリンダー68、68は引上げられる。

〔編註その三〕 本件に関する図面は左のとおりである。

イ号図面

第一図~第四図(省略)

<省略>

<省略>

ロ号図面

第一図(省略)

<省略>

<省略>

イ号物件

三相誘導電動機及び遊星歯車式減速機の突出量と

平歯車式減速機の突出量とを示す参考図

左:オーガーマシンの全体を示した図

右:三相誘導電動機及び遊星歯車式減速機のみを抜き出して

示した図(平歯車式減速機を除いた場合)

<省略>

ロ号物件

油圧モータの突出量と減速機の突出量とを示す参考図

左:オーガーマシンの全体を示した図

右:油圧モータのみを抜き出して示した図(減速機を除いた場合)

<省略>

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